+ESDプロジェクトとは(学びあいフォーラム)

ESD全国学びあいフォーラム

ESD全国学びあいフォーラム2012

■ESD全国学びあいフォーラムinおかやま

ESD全国学びあいフォーラムinおかやま
地域に未来へのさざ波を起こそう

ESD全国学びあいフォーラムinおかやま

日時: 平成24年11月4日(日) 13:30~17:00
場所: 岡山国際交流センター2F 国際会議場(岡山市北区奉還町2丁目2番1号)
http://www.opief.or.jp/oicenter/
主催: 環境省、岡山市
後援: 岡山県
協力: きんき環境館、EPOちゅうごく、四国EPO、EPO九州

<当日のプログラム>

(敬称略)

■ 開会

挨拶 環境省環境教育推進室長(代読)
挨拶 参議院議員 江田五月氏
祝辞 衆議院議員 逢沢一郎氏(代読)

■ 活動事例発表

【事例発表(1)】
「家棟川の生態回廊の再生、地産地消でまちおこし」 

北出肇・松沢松治 特定非営利活動法人家棟川流域観光船
村上真規 野洲市環境課 主任

松沢 松治氏、村上 真規氏、北出 肇氏

○概要
  • びわ湖へと注ぐ家棟川において、遊覧船運航や清掃活動、生態調査などを学校や住民、企業等と連携して実施している。エコツーリズムとして、漁師料理の提供、船頭の語り、船上からの景観の三大魅力で売り出している。
  • 当初は、びわ湖の環境悪化を改善させたいという思いから活動を開始した。びわ湖の環境を改善するためには、びわ湖に注ぎ込む川の環境改善が重要であるため、山からびわ湖まで(山、まち、田んぼ)を対象に活動をしている。ごみ問題や農業排水の問題を中心に行政と協力して取り組んでいる。
  • 野洲市では、環境基本計画(H19~28)「命の水育む緑安心のまち 野洲」という将来ビジョンを掲げて市民と一緒に活動している。
  • 活動の原動力は地域のみんなの想いであり、それをつないで、広げていくのが行政の役割だと考えている。
○質疑
Q.
地域の環境学習をしているとのことだが、どのような学習をしているのか。
A.
室内での環境学習は、温暖化、ごみ減量など普段の暮らしと関連する内容の学習である。フィールドでの環境学習は、自然環境、生物多様性をテーマとしたものが多い。小学5年生を対象としたヨシの学習や、ホタルの学習、授業時間に山越えをして地域の山に親しむ学習、昆虫採集、体験学習等の活動をしている。
Q.
行政の役割として、つなげて広げるということだが、詳しく教えてほしい。
A.
行政の立場から、それぞれの現場の最前線で活動することは難しいが、各活動を把握、理解して、相互につなげて、活動の幅が広がるようにしている。たとえば、山に木を植えるという活動であっても、漁師の方が木を植えるようにつなげていったりしている。ヨシの育成についても、環境団体、企業、学校による活動だが、関心のない人にも広げていけるように普及啓発を進めている。
Q.
観光船は、どの程度の距離、勾配のところを運航しているのか。観光船は和船であるが、木の和船はないのか。
A.
観光船を運航している地域は、以前は水郷地帯であり、各農家が船を持っていて、運送手段として使っていたようなところである。流域は12kmくらいで、ゆっくりとした流の場所である。木の船は一番使いやすいが、船屋の高齢化が進み、船作りの技術が失われ、木の船を作ってくれる舟屋はほとんどいない状況になっている。

【事例発表(2)】
「311以降の新しい暮らし方」

高橋真一 いち@岡山実行委員会 代表

高橋 真一氏

○概要
  • 「未来につながる新しい暮らし」がコンセプトであり、震災前は有機野菜のマーケットづくりを始めようと活動していたが、震災後は、有機野菜だけでなく安心できるものを販売するマーケットを目指している。
  • 心地よさ、美味しさを体験するということが、参加者にとってもわかりやすい。生産者による直接販売など、安心して買ってもらえる場にして、有機的につながるマーケットを開催している。「心地良い空気感をつくること」に気をつけて、「心地良い場所は心地良いヒトがつくる」という考えのもとで、出店者や活動参加者とコンセプトを共有するようにしている。
  • 岡山市郊外には色々な取組をしている団体や企業があるので、それらの団体や企業と市街部をつなげるハブの役割も果たしている。
  • マーケットを軸にしながらも、町の中でいろいろなアクションを起こしていきたいと考えており、循環可能型商工会議所として、カレー作りなどのデモンストレーションも実施している。
  • 「心地よさの体験」を重視しており、これが循環型社会づくりに大切だと思っている。
○質疑
Q.
マーケットの出店者になる人に条件はあるのか。
A.
 出店を希望する人には、このマーケットのコンセプトに沿ったアイディアをどのように実現するかという点を説明してもらう。また、生産者を紹介してつなげるようにしている。
Q.
有機野菜は栽培に労力がかかったり、見た目が良くない生産品が出来たりするが、その点はどうか。
A.
有機栽培に岡山県のJAS認定を活用している。ご指摘の通り、見た目が良くない生産品などもあるが、どういうものを作っているかをきちんと伝えてもらうようにすることで解決している。
Q.
心地良さを大切にしているとのことだが、心地よさとはどういうものであるのか、どのように生み出すのかといった方法を確立しているのか。
A.
目的意識を持った人が集まるような場所にすると、心地良い場所になるのではないのかと思う。実際に心地良いかどうかは、集まった人の気持ち次第だが、イベントでも「気持ち良い場所ですね」と言ってくれる人もいる。

【事例発表(3)】
「いなかベンチャー企業が大切にしていること」

阿部裕志 株式会社巡の環 代表取締役

阿部 裕志氏

○概要
  • 海士町は少子高齢した過疎地であるが、市町村合併はせずに、行財政改革、島まるごとブランド化、人材育成に挑戦してきた。
  • 持続可能な社会モデルが必要であると考え、そのためには地域に雇用が必要であると考え、しわよせのないビジネスモデルづくりを検討してきた。
  • 年配者と若者と、都市と地方、生産者と消費者などの「相互理解」のきっかけづくりとなることを目指し、地域づくり事業(海士町が良くなるようなこと)、教育事業(海士五感塾、行政、大学)、メディア事業を行っている。
  • 海士五感塾は、地域交流と企業研修をかけあわせたものであり、労働組合と相性が良い取組である。フィールドワークとワークショップで人間力の向上を目的とした研修を実施しており、感じる力、気づく力を体得し、学び方を学んでもらう。また、地元の主婦の方にも積極的に協力してもらっている。
  • 参加企業と地域住民(島の師匠)と巡の環で三方よしの関係を構築してきている。いなかベンチャー企業は、いなかに埋もれても、突っ走っりすぎてもいけないと思う。気持ちの納得を大切にして、地域を巻き込み、今後も頼めること(楽しいこと、儲かること)を見つけて、三方よしの関係を維持し、地域の誇りを高めることを重視している。
  • 海士町では、持続可能な社会のモデルづくりのための基盤は整ったが、持続可能の評価基準は難しい。また、地域の雇用については、自社雇用は増えているが安定しておらず、海士五感塾での経験を踏まえて、新たな方向性を検討していきたい。
○質疑
Q.
海士の五感塾と労働組合とは相性が良いというお話があったが、どのような点で相性が良いのか。
A.
労働組合の役割は雇用者を守ることであり、現在のところ主要な活動は賃金交渉であるが、右肩上がりではない経済状況で、賃金上昇が頭打ちの状況にあることは明らかだろう。その状況で、原点に戻り、雇用者を守るために必要なものは何かと考えると、働きがい、生きがいだと思う。会社は経営を守るのに全力をかけ、労働組合は働きがいや生きがいの創出に取り組むというのが現在の姿なのではないか。イオンやサントリーはそういう方向に舵をきっているので、一緒に取り組むことができている。

【事例発表(4)】
「海の中の森づくり」

神田優 特定非営利活動法人 黒潮実感センター センター長

神田 優氏

○概要
  • 高知県西南端に位置する大月町柏島は人口が少なく、漁業、ダイビングが主要な産業の島である。また、海がきれいで非常に豊かな島でもある。
  • 「島全体を丸ごと博物館に」ということをコンセプトとして活動を始めて、自然を実感し、自然を活かし、自然とくらしを守ることを目指してきた。人が海の恵みを享受するだけでなく、人も海を耕し、海を育み、守る、里海として活動している。
  • 漁業が中心の島であったが、アオリイカを含む漁獲量が減少する一方で、海中景観の良さからダイビングが盛んになり、漁業関係者とダイビング業者の対立関係が生じていたが、漁業者とダイバーが協力してアオリイカを増やすという取組を生み出した。
  • 間伐材を用いたイカの人工産卵床をダイバーが設置する取組であるが、産卵床づくりを子どもの環境教育プログラムに活かし、林業関係者や行政も巻き込んできた。最近はこれらの取組は大月町外にも広まり、広域で連携している。
  • 磯焼けと呼ばれる藻場喪失の原因は、山林荒廃による山からの栄養塩の供給不足や海水温の温暖化と言われているが、これらの問題を早急に解決することは難しいのが現状である。その他の要因を探ったところ、海藻の現存量に対してその捕食者である藻食性のウニが増えすぎていることが明らかになり、ウニの駆除や海藻の移植も行っている。
○質疑
Q.
駆除したウニは食べることはできないのか。
A.
残念ながら食べることができない。
Q.
ダイビング業者と地元の漁業関係者の利害関係が対立しているとのことだが、ダイビング業者は外部の人なのか、あるいは地元の漁業関係者が兼業しているのか。
A.
ダイビング業者は当初高知市内など島以外からの業者が主体で、地元の漁業関係者が実施していたわけではなかった。この地域では、ダイビング=密漁者という、潜ってイセエビや魚を獲るイメージがあったが、最近、海中をガイドして案内するだけでも仕事になるということがわかり、観光型のダイビング産業に生まれ変わった。最近は、地元の漁業関係者もダイビング業を行うようになってきている。また、地元の若者たちがUターンで戻ってきてダイビング業を始めるようになっており、これもダイビング業者と地元の漁業関係者の関係改善につながっている。今回紹介した活動で地域の課題は解決しているが、NPO法人としての運営が安定しているわけではない。活動を続けるためには運営資金の確保が重要である。今後はアオリイカの増殖産卵床設置事業のノウハウをコンサル事業として展開していけるとNPO法人として生き残るための武器になるのではないかと思っている。

【事例発表(5)】
「都市での里山」

関宣昭 特定非営利活動法人 里山を考える会代表

関 宣昭氏

○概要
  • 里山の保全の根本はコミュニティであり、「おもちより」「わかちあい」「おすそわけ」から成り立つものである。
  • 北九州市は工業地帯であるが、自然も残っていて、緑地の運営を実施してきた。
  • 一方で、認知症についての話し合いの場が必要という声が上がっており、「おもちより」の仕組みづくりを考えた。スポンサー、環境系NPO、福祉系NPO、学校、学生ボランティア、行政(福祉、まちづくり、環境)を巻き込んで仕組みを作り出したが、最大の課題は本人たちをどう集めるかということであった。
  • 認知症家族の会に声掛けして、認知症を知る勉強会などの準備を重ねて、もりフォーラムを開始した。もりフォーラムは、認知症の方に、森の中をガイドしたり、地域の活動を発表したり、自然を活用したワークショップを行うなどしている。
  • 当団体は森という場所を提供し、行政が医療・人材を提供し、福祉系の団体が介護ノウハウの提供しており、各主体がそれぞれのスキルを持ち寄ってできたものである。
  • また、八幡製鉄所跡地で、勤務者、住民、消費者が集える場としてお祭りShareも開催している。これは「おもちより」数106件、協力者数530名という盛大なイベントになった。
○質疑
Q.
活動を作り上げていくプロセスに工夫をされているようだが、どこからアイディアが生まれてきたのか。
A.
もりフォーラムは仲間で飲んでいるときに生まれたアイディアだった。shareは意識を持っている人が紙に書き出して始まったものである。活動のプロデュースには女性メンバーが担当してくれている。共有スペースは東田エコクラブであり、ここには8団体くらいが入っていて、人が集まりやすくなっている。アイデアを生み出すには、「場」が重要なのではないかと思う。
Q.
東田のスペースは工場の跡地なのか。
A.
その通りである。工場の跡地の土地をどのように活用するかという話があり、このような活動につながった。
Q.
緑地はどのような場所なのか。
A.
ミュージアムゾーンであり、開放されている。
Q.
もりフォーラムでは、多様な主体に協力してもらうため、色々なところに依頼していると思うが、行政への依頼で苦労した点などはないか。
A.
このような活動には、行政が仕組むことと、我々が仕組むことがあると考えている。もりフォーラムは我々が仕組んで行政に投げかけており、我々ではできないこと(車いすの調達)を行政にお願いしている。行政からお金をもらうのは難しいが、行政が持っているものを貸してもらうことや、行政に手伝ってもらうことについては、協力的である。

■ パネルディスカッション

テーマ「地域の未来を招く知恵を集めよう」

コーディネーター: 西村 仁志 (環境共育事務所カラーズ代表、
広島修道大学人間環境学部准教授)

パネリスト:活動事例発表者

パネルディスカッション

(PDF:299KB)

■ 閉会挨拶

岡山市ESD最終年会合準備室 内藤元久室長